他のScratch Advent Calendarの記事もぜひご覧ください。
2015年も残すところあとわずかですね
このエントリでは
観光地のど真ん中にある小学校で
Scratchしてみた
というお話をしたいと思います
◆ボランティア講師◆
2015年6月に初めて小学校を訪問して今年創設されたばかりのコンピュータクラブの活動でボランティア講師を引き受けたのが始まりでした
森に囲まれた自然豊かな環境です
パソコン室には35台のデスクトップPCが並び、例によって(?)SkyMenu環境による管理となっていました
Scratchを児童用PCにインストールしても次回起動時に削除されてしまうのでネットワークドライブ上にScratch1.4と2.0本体を置いてそれを一斉起動する形でコンピュータクラブの授業をするようにしました(将来的にラズパイ活用を見据えてScratch1.4をメインに進めました)
もちろんSkyMenuのクライアントPCのHDD登録イメージにScratchを追加することも出来る(許可を得ています)のですが、ボランティアとして関われる時間が限られているため、今回はそこまではしませんでした(実運用上もほとんど困ることはありません)
◆初回授業◆
初回は「プログラミングってどんなもの?」「ラズベリーパイって何ができる?」「Scratchってこんな感じ」という話を中心に動画を交えて45分のコンピュータクラブの授業を行いました
こども達も積極的に発言してくれたのであっという間の45分でした
PEGプロジェクト支援のラズベリーパイも数台ですが贈呈させていただきました
デスクトップPCだったこともあり、いくつか変換コネクタを用意する必要などはありますが、ちょっとケーブルをつなぎ替えるだけでラズベリーパイが使える環境なのはとてもいいですね(検証済み)
◆作品づくり◆
夏休み後からはScratchでの作品づくりに取り組んでいきました
45分という時間はあっという間なので、Scratchの操作に慣れるまでの最初の1〜3回はこまめに説明を加えましたがそれ以降は全体への介入は最小限度にしてこども達が作品作りに集中できるように配慮しました
学校行事や外部の大会などの関係で全員が揃わない回もあったため、同じ内容を反復することもありましたがその時にはすでにマスターしているこども達が教える立場になってもらうようなこともしました
毎回、授業の冒頭に「今日の必殺技」ということで改造事例を紹介したり、ブロック機能を紹介したりしながら、それぞれの作品アレンジに取り組むようにしていきました
コンピュータクラブは高学年の児童が多いこともあり、PC操作にはそれなりに慣れているので思い思いの絵を描いてScratchで動きを作り出していました
マインクラフトが大好きな男の子はそのキャラクターを描き、自分なりのルールをScratchで表現してゲームとして成立するようなものを作り上げていきました
もう画面を見ただけで何を描いているかすぐに分かりますがみんな絵がカワイイです
ベースが同じScratchプログラムなのに1つとして同じ画面はありませんし、
アレンジも多彩です
それぞれが自分の表現したいことを真剣に取り組んでくれました
実現したいイメージを形にするため質問も増えていきます
質問するにも自分のイメージをうまく説明しなければならないですから
言葉を選び、伝える力を通常の教科活動の中でしっかりやっておくことが大切だと思います
そうした活動の積み重ねが人前で発表する際に活きてくると思いますし
友達と情報をシェアしてコミュニケーションが活発になるという効果も期待できそうです
自分の思った通りに動いた時の表情は本当にいきいきとしています
ネットで一時期流行ったキャラも登場します
イカしたイカも登場
機能追加やデバッグも進みます
◆生まれた変化◆
回数を重ねていくとクラブ活動の時間にやりたいことが明確になり、パソコン室に入ってすぐにScratchを起動してプロジェクトを呼び出して続きをするようになっていきました
また、以下のように描きたい絵を紙に描いて持ってきた男の子がいました
自分の描いた絵を友達に渡して
それを友達のゲーム内で表現してもらうということもしていました
作っている作品を簡単に発表してもらって
独自に作り込める可能性をみんなにシェアしてくれました
◆保護者の方の参加◆
この取り組みの過程でフリーランスプログラマーをされている保護者の方も授業に参加してメンター役をしていただきました
Scratchそのものは「初めて見た」ということでしたので授業直前に簡単に体験していただき、こども達の作品作りのサポートに入って活動してくださいました
ご協力本当にありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます
◆教職員向け研修会の実施◆
こども達だけでなく、校長先生をはじめとする教職員の皆さんにもScratchを体験していただきました
その際、授業での利活用について那須ラボでの小学生の事例などをお話しすることで、先生方が普段の授業の中で感じている課題などがScratchなどを使うことで効果的に出来ないかどうかという話につながりましたこども達だけでなく、校長先生をはじめとする教職員の皆さんにもScratchを体験していただきました
やはり、現場の先生方のリアルなご意見はとても大切だと思っています。こうした対話を続けながら各教科の活動の中でプログラミングを効果的に活用する方法が見えてくるのではないかと考えています
校長先生曰く「目からウロコが落ちる体験だった」とコメントをいただきました
お忙しい中ご参加いただいた先生方に御礼申し上げます
◆振り返り◆
この活動をしてきて感じたのは「継続」することの大切さだと思います。回数を重ねることで表現の幅も広がっていきますし、新しいことへのチャレンジができるようになっていくのではないかと思います
導入部分ではある程度のサポートは必要ですが、そこから先はこども達の可能性を信じて応援することに徹するようにしてみました
学校に導入されているPCは自治体によっても差があり、古いPCを使っているケースも多々あります。しかし、予算が無くても今、目の前にある環境を活用してできることは意外と沢山あると思います
学校のパソコン室が活気に溢れ、楽しく作品づくりに取り組める環境になると同時に、教科活動の中で活用できるようにいつでも使える環境が当たり前になるといいですね
また年明け後も残りの回がありますので、Hour of Codeやビスケット(Viscuit)の取り組みをしてみたいと思います
なお、ビスケット(Viscuit)についてはすでに1回実施しているので、そちらはVISCUIT(ビスケット) Advent Calendar 2015 の方で別エントリでご紹介したいと思います
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